REACHとは何ですか?具体的に何をすればいいのですか。できるだけ分かりやすく教えてください。

EUが2007年6月からスタートさせた、化学品の登録・評価・認可および制限に関する規則のことです。
REACHは「リーチ」と読み、Registration,Evaluation,Authorisation and Restriction of Chemicalsの略称です。
・・・と、なんだか難しくなってしまいました。

多くの部品供給業者は、直接REACHの規制の対象者にはなりません。
しかし、川下業者(「お客様」と読みかえていただいて構いません)から「どんな物質からできているのか教えてください」と聞かれたら、答えなければいけません。それがREACHのルールです。
日本国内だけで確実に消費されるとわかっている商品であれば、やる必要はないかもしれません。
でも、「お客様からREACH調査依頼が来た」ということは、EUに売る可能性があるものだと思いますので、無視はNGです。
(無視し続けると、お客様から注文が来なくなってしまう可能性があります。。。)

では、どのように情報を伝えればいいのか?

REACHでは、「全ての物質について漏れなく報告をしなさい」とは言っていません。
世の中には星の数ほどの成分があると思われますので、いきなり全てを報告することは難しいでしょう。
なので、危険そうな物質から優先的に、少しずつ報告してもらう形をとっています。
この、「危険そうな物質」のことを、SVHC(高懸念物質もしくは認可対象候補物質)と呼んでいます。

SVHCは、はじめは16個でした。
およそ半年に一回ペースでちょっとずつ追加されていき、2024年6月現在では241個にまで増えました。

「241個の物質が自社の部品に含まれているか?」のチェックはとても大変なので、
「自社の部品はどのような物質から構成されているか?」を調べた方が早いです。
自社の部品に含まれている成分をchemSHERPA(ケムシェルパ))に入力して含有判定の操作をすると、自動的に241個と一致しているか否かを判定してくれて、表示してくれます。
本当に便利なツールです!!
(同時にRoHSなどの他の規制についても判定して表示してくれます。)
これらのツールを使わない場合、241個の物質を一つ一つ目で見て確認する作業となりますので、すごく時間がかかります・・・。

「半年に一回SVHCが増える」ということは、一度回答した商品であっても、「半年たったらまた増えた分の報告をしなければいけない」ということです。
一回やったら終わりではないところが、本当につらいところです・・・。

少し長くなってしまいましたが、
「REACHときたら、基本はSVHCの有無を確認して報告すればOK!SVHCの代表的な報告フォーマット(様式)はchemSHERPA!」
と覚えておいていただければOKです。