REACH規則とCLP規則の違い

最新更新日 2024-01-16

REACH規則とCLP規則は、EUにおける化学物質管理に関する2つの代表的な法規制です。

chemSHERPAやIMDSを利用して成形品を主に担当されている方々には、REACHとCLPの違いは分かり難いと思われます。それらの主な違いを解説します。

 

REACH規則(Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of Chemicals)は、化学品や成形品がEU市場で製造や輸入される際、それらに含まれる物質の登録、評価、認可、および制限に関する手続きを規定しています。

主な目的は、化学品や成形品の安全性および人間の健康、環境への影響の評価および管理です。化学品と成形品が対象です。

CLP規則(Classification, Labelling, and Packaging Regulation)は、化学品の分類、表示、および包装について規定しています。

主な目的は、化学品の使用者に対して危険性に関する適切な情報を提供し、安全な取り扱いを促進することです。化学品が対象です。

 

REACH規則は、すべての物質を対象としており、製造者や輸入者によって化学物質が登録される必要があります。

CLP規則は、REACHで登録された物質に関連する危険有害性の分類、表示(ラベル)、および包装(パッケージ)について規定しています。ここでの分類とは急性毒性や生殖毒性など有害性の種類分けのようなイメージです。

 

REACH規則では、物質の製造業者や輸入業者はそれらの物質を登録する必要があります。登録にはデータの提出が伴います。

CLP規則は、物質や混合物の危険性の分類に関する手続きと、それに基づく適切な表示・包装が含まれます。CLPでは登録の概念は存在しません。

 

REACH規則とCLP規則は相互補完的であり、共にEUにおける化学物質管理を強化し、人間の健康および環境の保護を促進しています。

 

(長谷川 祐)