最新更新日 2019-08-17
本日からRoHS10が始まりました。
最近、電機部品や産業機器の展示会を歩いて回ると、従来の「RoHS適合」の製品だけでなく「RoHS10適合」を表示した製品を多くのブースで見かけます。
「RoHSはわかるのだけど、この”10“って数字は何なの?」とよく聞かれます。
この“10”は10物質という意味です。今まではRoHSは6物質(鉛・水銀・六価クロム・水銀・PBB・PBDE)でした。これらに新たに4物質が加わりました。この新たな4物質はDEHP・BBP・DBP・DIBPという物質で、総称的にフタル酸エステルと言われています。
「難しそうな物質みたいだから、たぶんウチの製品にははいってないな!」と思われるメーカーさんもいらっしゃいます。確かに、金属製品には通常入っていることはないので、板金部品や金属ネジ類などはあまり心配されなくても大丈夫です。
けれども、注意しなくていけないのは樹脂を材料にした成型品の場合です。フタル酸エステルは可塑剤としてプラスチックやゴムなど樹脂材の加工時に柔らかくするために添加されます。昔は食品ラップやプラスチック食器に使われていたこともあったそうです。
特に注意しなくていけないのは電子部品や電子デバイス類です。ケーブルの被膜に含有されていることがあります。部品ごとにサプライヤーさんに含有状況を問合せして確認しておく必要がありますね。特に国内用途品の輸出転用は要注意!
フタル酸エステルは発がん性や生殖毒性があると言われており、規制する法律は今回のEUのRoHS指令だけでなく世界的に広がっています。樹脂材料を使用するメーカーさんとしては早めに材料を切り替えていくことが求められます。
長谷川 祐