化学物質管理とレスポンシブル・ケアの違い

最新更新日 2025-06-10

chemSHERPAやIMDSを利用する成形品メーカーでは「レスポンシブル・ケア」という言葉を使うことはほとんどありません。
RoHS指令やREACH-SVHCなど成形品に含まれている鉛やフタル酸エステルなど規制物質を把握して情報伝達することを「化学物質管理」あるいは「製品含有化学物質管理」と呼ぶことが一般的です。

しかし、成形品ではなく、化学品の製造や販売を行う企業では「化学物質管理」という言葉自体をそれほど使いません。
工業材料や薬剤など化学品は化学物質そのものです。
業務自体が化学物質を取り扱っていることなので、「化学物質管理」という言葉をあえて持ち出す必要性がありません。
化学品を製造する化学産業では「レスポンシブル・ケア」という言葉を使います。

レスポンシブル・ケア (Responsible Care) とは、化学物質を扱う企業が、化学製品の開発から製造、物流、使用、最終消費を経て廃棄に至るすべての過程において、自主的に「環境・安全・健康」に留意して責任をもって取り扱うことを意味します。

化学物質管理とレスポンシブル・ケアのどちらも化学物質の有害性に留意して川下事業者や最終ユーザーの安全性を担保していくことが目的なので、基本的な意味合いに大きな違いはないと考えてよいでしょう。

(長谷川 祐)