chemSHERPA、全成分情報の伝達が可能に。(Full Material Declaration)

最新更新日 2024-08-25

chemSHERPAの次期バージョンV2R1では、「全成分情報の伝達(Full Material Declaration)」が可能になります。
chemSHERPAにおいてはFull Material Declarationはオプション的な位置付けのようですが、自動車業界の標準システムIMDSでは必須です。

IMDSでは基本的に材料において含有物質すべての開示が求められています。
例えば、アルミ合金では規制物質の鉛だけでなくアルミニウムそのものやシリコンなどの添加材料も入力する必要があります。
公的規格で物質のパーセンテージが決まっている場合はデータ開示に問題はないのですが、含有物質の名称や含有率が材料特性に関連する機密情報を含む場合にはデータ開示は企業として難しいです。

そこでIMDSでは10%までのデータ非開示が認められています。
非開示の方法はワイルドカードと呼ばれていろいろあるのですが、規制物質等が含まれていないことが鉄則です。
10%を超えての含有物質情報の非開示は許されないので、どの物質データを開示してどの物質データを非開示にするかは材料データ作成のポイントとなります。

chemSHERPAでは規制物質以外の物質については基本的に開示が要求されていないので、IMDSに連携させる場合にはFull Material Declarationが最大のボトルネックになると考えられます。

(長谷川 祐)