認可対象物質と認可対象候補物質

最新更新日 2022-09-19

EU-REACH規則における「認可対象物質」と「認可対象候補物質」は規制内容に大きな違いがあり注意が必要です。

「認可対象物質」の英語名はSubstances to Authorizationです。
認可を受けない限りは、EU域内では製造できない、使用できない、販売できない、事実上の禁止物質です。
しかし、EU域外で製造された成形品に認可対象物質が含有されていてもEUに輸入することは禁止されていません。
いわば、EU域外からの輸入成形品は規制の“抜け穴”です。

「認可対象候補物質」の英語名はCandidate List Substances(CLS)ですが、一般にはSVHCと呼ばれます。
まだ“候補”なので、製造や使用が禁止されているわけではありません。
しかし、成形品に含有されている場合は川下ユーザーやECHAへの情報伝達が義務付けられています。
いわゆるREACH-SVHC調査です。
こちらは、EU域外から輸入される成形品であっても情報伝達がMUSTです。

言葉のとおり、認可対象候補物質から認可対象物質が選定されます。
しかし、選ばれた物質が候補リストから外されることはありません。
認可対象物質と認可対象候補物質の両方を“兼任”するような状態になります。

例えば、フタル酸エステルのDEHPは認可対象物質に指定されていますが、認可対象候補物質SVHCとしてもCandidate Listに残っています。
EU域内ではDEHPの製造や使用は既に原則禁止されているのですが、EU域外から輸入される成形品についてはDEHPの含有状態の情報伝達が義務付けられています。

認可対象候補物質から認可対象物質に“格上げ”された後も、成形品での情報伝達の義務は継続します。
日本からEUへ輸出される成形品も対象なので注意が必要です。

(長谷川 祐)