ポジティブリストとネガティブリスト

化学物質の規制方法には「ポジティブリスト」と「ネガティブリスト」の2つの考え方があります。

ポジティブリスト方式は「使っていいものだけをリストにする」方式です。
リストに載っていないものは、すべて使用禁止になります。
例えば、食品衛生法では、食品容器や包装に使える化学物質がポジティブリストとして決められており、リスト外の物質は使用できません。

ネガティブリスト方式は「使ってはいけないものだけをリストにする」方式です。
リストに載っていないものは、基本的に使用可能です。
RoHS指令やREACH規則では「有害な化学物質だけを禁止する」ネガティブリスト方式が取られています。

ポジティブリスト方式の方が厳格な管理になり、安全性が高まります。
しかし、その分、新しい物質を使うための手続きが大変になります。
一方、ネガティブリスト方式はポジティブリスト方式に比べて規制が緩やかで、新しい技術や物質の導入がしやすく、リスク管理が企業の責任に委ねられる部分が大きくなります。

食品や化学品、成形品を扱う企業は、どの方式が適用されているかを理解し、それに沿った対応をすることが重要です。
特に食品衛生法では、ポジティブリスト方式が採用されているため、使用可能な化学物質をしっかり確認する必要があります。

(長谷川 祐)