最新更新日 2022-06-26
製品含有化学物質管理の法的枠組みであるEU-RoHS指令とEU-REACH規制を統合させる考え方がEU内部で浮上しています。
現状では内部の専門部会での意見出しレベルであるため、実際に法制化への動きを見せるかは不明です。
日本の電気電子機器メーカーにとってRoHS指令の動きは、対象物質の拡大や適用除外用途の変更など、自社製品の生産や開発に大きな影響を与えてきました。
一方でREACH規則のSVHC伝達義務や制限は電気電子機器に限らず全ての成形品が対象であるため、頻繁な規制内容の変更に追いつくことが容易ではありません。
化学物質管理担当者にとってRoHSとREACHは最も重要かつ最も難題のハードルです。
EU関係者の間で複雑な法規制の体系をシンプル化させる必要性が議論されたことは間違いないようです。
二つの規制を統合したからと言って規制が緩やかになることはないでしょうが、法体系が簡素化されることで法律文章を読み取る時間が効率化されることは望ましいことです。
REACHは総合的な化学物質法規制であり、化学品だけでなく成形品も広く対象にしています。
電子電気機器も成形品の一つのカテゴリーなので、RoHSをREACHに組み込むことは合理的であると個人的には考えます。
(長谷川 祐)