5番目の紛争鉱物コバルト

紛争鉱物の2020年度の調査テンプレート(EXCELシート)が発表されました。
毎年おなじみの統一フォーマット「CMRT」の最新バージョンRev.6.01が紛争鉱物の推進団体RMI(Responsible Minerals Initiative)のウェブサイトに掲載されています。CMRTを利用する事業者は誰でもダウンロードできます。
http://www.responsiblemineralsinitiative.org/reporting-templates/cmrt/

紛争鉱物は金・タンタル・タングステン・スズの4種の金属ですが、5番目の紛争鉱物の“候補”としてコバルトも前面に押し出されています。コバルトの調査テンプレートは、従来からの4金属とは別に、「CRT」(Cobalt Reporting Template)が設定されており、こちらもダウンロードできます。
http://www.responsiblemineralsinitiative.org/reporting-templates/cobalt-reporting-template/
CMRTとCRTは略称が似ていますので取引先から要求されたときは注意が必要です。

コバルトの主要用途はリチウムイオン電池です。リチウムイオン電池は携帯電話やノートパソコンに使用されています。新しい働き方としてのテレワークが世界的に拡がっていることでパソコンの需要は増大しています。その原材料としてのコバルトの重要性はかつてなく高まってきています。
一方、紛争鉱物に指定されつつあるということは供給国・地域に問題があることを示しています。また、コバルト以外の金属についても、新たな候補が増える可能性が示唆されています。電気電子部品に関わる事業者としては、今後、紛争鉱物の拡大に十分な注意を払う必要があります。

(長谷川 祐)