日本国内には、極めて高い水準の加工技術を持つ金属加工事業者が多く存在しています。
いわゆる“精密部品を作る中小メーカー”“高い職人技を持つ町工場”といったイメージの製造業者です。
意外にも、この中には「客先からchemSHERPAもIMDSも提出を依頼されたことがない」事業者が少なくありません。
chemSHERPAの提出を依頼されない理由は二つ考えられます。(IMDSについても同様です。)
一つ目として、最終的な完成品が日本国内向けのみの場合です。
具体的には、建設資材や産業機器、雑貨などが考えられます。
RoHSやREACHに相当するような製品含有化学物質法規制が日本国内には事実上存在せず、chemSHERPA作成に該当するケースが基本的にはありません。
この場合はchemSHERPA自体を準備する必要性が低いと考えられます。
二つ目として、客先企業が外注先である部品メーカーに作ってもらう部品も含めて、chemSHERPAをすべて自分で作ってしまう場合です。
この場合は客先からchemSHERPAの提出を要求されることはありません。
客先としてはchemSHERPAを作成する工数はかかりますが、最終製品が何であるか、最終マーケットがどこであるかなど部品メーカーに教える必要がなくなります。
さらには部品メーカーを変更することも比較的容易になります。
このことから「客先からchemSHERPAの提出を依頼されない」ことは、サプライチェーンから容易に外されるリスクがあると考えておく必要があるでしょう。
(長谷川 祐)