2000年代半ばのEU-RoHS指令やREACH規則で実質的に始まった製品含有化学物質管理も概ね20年を超えました。
2010年代では紛争鉱物も加わりました。
当初は企業に大きな不安と混乱を与えていた含有物質調査業務も2020年代では業務的にルーティン化された感もあります。
昨今では定型業務として難なく対応されている会社も少なくないようです。
先日、大手エレクトロニクスメーカーの2次下請けメーカーの担当者と意見交換する機会があり、以下のようなコメントをいただきました。
「大手企業である顧客からchemSHERPA提出の要求があり、言われたとおりに対応しているのだが、やっていることの意味が分からず不安である。顧客に訊いても、自分も分からないと回答されて、さらに不安になった。RoHSやREACHへの対応とは聞いているが、RoHSやREACHがどのようなものであるのかについて説明を受けたこともない。インターネットで調べても難解でよくわからない。」
かつては大手企業がサプライヤーに行っていた化学物質法規制の説明会なども少なくなっているようです。
インターネット上での情報や学習動画が充実してきているので、それで十分ではないかという意見もあります。
しかし、本当に本質を理解して腹落ちするためには、現場現物に即したリアルなOJTやFace to Faceの言葉を選ばないベタな説明に勝るものはないのではないでしょうか。
製品含有化学物質管理業務が安定してきた今こそ、本質を理解するための社内教育に改めて取り組む重要性を認識したいです。
(長谷川 祐)