SVHC

最新更新日 2022-02-21

川中・川上企業におかれては、SVHC追加にもとづく調査依頼が販売先から送られてくる時期ではないでしょうか。
中小企業にとっては負荷が大きく頭が痛い調査依頼です。

毎年、6~7月ごろと12~1月ごろの2回、REACH規則のSVHC追加がEUから発表されます。
直近では2022年1月17日に4物質が追加されました。現在、合計223物質です。

SVHCはSubstances of Very High Concern の略称で、日本語では高懸念化学物質です。
高い懸念はあるけれど製造や使用は禁止していない、安全性が白でも黒でもないグレー、というイメージです。

成形品の中にどれぐらい含有されていて、EU域内でどれぐらい流通しているのかを把握するのが狙いと言われています。
総合的にリスクが高いと判断された場合は「認可対象物質」に指定することが検討されます。

「認可対象物質」は、認可されないと製造・使用ができない物質なので、事実上の禁止物質にあたります。
したがって、SVHCは禁止物質の一歩手前の物質とも言えます。

SVHCは、正式にはCandidate List of substances of very high concern for Authorizationであり、
「認可対象候補物質」です。その名の通り事実上の禁止物質である認可対象物質の“候補”といった位置づけです。
SVHCは正式名称の略称であるCLSと呼ばれることも最近では多くなっているようです。

(長谷川 祐)