日本にREACHに相当する法律は存在するのでしょうか?
EUのREACH規則に相当する日本の法律は化審法です。化審法の正式名称は「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」です。
化審法は主に3つの点から構成されます。
1.新規化学物質の事前審査
2.製造・流通している化学物質の継続的な調査
3.化学物質の毒性に応じた規制
EUのREACH規則によく似ていることが分かります。1.は新規物質登録、2.は既存化学物質登録や届出、3.は認可や制限、というようなイメージです。
ただし、一点大きな違いがあります。
成形品中のSVHCの情報伝達義務はREACH特有のものです。成形品に関しての情報伝達は基本的に化審法では要求されていません。
日本の事業者、特に製品や部品などの成形品メーカーでは、「REACH=成形品に含まれるSVHCの情報伝達」と認識されている方も多いと思います。実際にはREACHは化審法に考え方が類似しており、SVHCのみが違いと言ってもいいかもしれません。
私見ではありますが、仮に「成形品に含まれるSVHCの情報伝達義務」が化審法等の日本の法律で要求されるようになったら、ケムシェルパが広く普及して今よりも企業間の情報伝達が円滑に行くかもしれませんね。
(長谷川 祐)