RoHS指令は、電子・電気機器が環境や人体に与える影響を減らすことを目的に、欧州連合(EU)が定めた非常に重要な法規制です。
正式名称は「電子・電気機器における特定有害物質の使用制限についての指令」といいます 。

この指令のポイントは、指定された有害物質が、決められた濃度(閾値)を超えて製品に含まれていては、EU諸国で販売できません(上市できません)という点です 。

規制の対象物質と歴史

RoHS指令は2006年7月1日に施行されました 。当初は6物質が対象でしたが、2015年に追加規制が公布され、現在では合計10物質が規制対象となっています 。
この改正後の指令は「RoHS2(ローズツー指令)」などと呼ばれることも多いです。

この規制物質のリストは、製造業の皆様にとって「使ってはいけない物質のリスト」として、常に最新版を確認する必要があります。

No.物質の種類最大許容濃度(均質材料中の重量比)
1カドミウム0.01重量%以下(100ppm以下)
20.1重量%以下(1,000ppm以下)
3水銀0.1重量%以下(1,000ppm以下)
4六価クロム0.1重量%以下(1,000ppm以下)
5PBB(ポリ臭化ビフェニル)0.1重量%以下(1,000ppm以下)
6PBDE(ポリ臭化ジフェニルエーテル)0.1重量%以下(1,000ppm以下)
7フタル酸ジエチルヘキシル (DEHP)0.1重量%以下(1,000ppm以下)
8フタル酸ジブチル (DBP)0.1重量%以下(1,000ppm以下)
9フタル酸ブチルベンジル (BBP)0.1重量%以下(1,000ppm以下)
10フタル酸ジイソブチル (DIBP)0.1重量%以下(1,000ppm以下)

※閾値(いきち・しきいち)とは、この「最大許容濃度」のことです 。
この値を超えて物質が含まれている製品は、EU域内では販売できません。(ただし適用除外は除く)

なぜRoHSが重要なのか?

RoHS指令は、REACH規則と並んで、日本の製造業がグローバルに製品を供給するために欠かせない基本中の基本のルールです。

RoHSの順守が求められるのは、EU向けの製品だけではありません。
RoHS対応が国際的な品質基準となっているため、お客様から「RoHS対応済みであることの保証書(非含有保証書)」の提出を求められることが非常に多いです 。

RoHSの調査は、chemSHERPA(ケムシェルパ)の「遵法判断情報」画面で、他の規制物質と合わせて一括で適合性(適合・不適合)を判定・報告できます 。

RoHS指令の調査は、製品含有化学物質の調査の中でも、特に頻繁に発生します 。
お客様からRoHS関連の書類提出を求められてお困りの際は、RoHS保証書作成にも対応しているエコハーツにご相談ください。